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Category: 産業

交換式バッテリーEVの実証実験

交換式バッテリーEVの実証実験

2025 年 9 月から東京都で実証実験を開始というニュースがあった。

三菱ふそうトラック・バス㈱、三菱自動車工業㈱、Ample Inc.(アメリカ)、ヤマト運輸㈱の 4社によるもので、東京都および東京都環境公社の 2024年度「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択されたものとのこと。

xEVに対する評価や見方は人それぞれで一定していないが、私の意見は、自動車の電動化は必ず必要ではあるが、少し前まで言われていたようなスケジュールやシェアは非現実的で、ひずみが生じることなく達成可能な計画に見直すべき、というもの。

ということで、私は全体的には今の EV化の風潮には否定的だけど、今回のこの計画は EV 化を一歩前に進めることに貢献しうるものと、この記事をみて思った。少なくとも航続距離については一つの選択肢につながるし、そのほかの問題についてもひとつづつ解決に向けた選択肢を増やしていって、EV が社会課題を解決できる場合には、その任務を与えたらよいと思う。

BYD が日本市場で軽自動車に参入

BYD が日本市場で軽自動車に参入

メディア報道によると、BYD が日本専用 EV を 2026 年に投入するとのこと。BYD ジャパンのウェブサイトで確認すると、「2026 年後半に日本専用設計の乗用軽 EV の国内導入を決定」したとの開示とともに、乗用軽 EV と EV トラックの人材増強を加速することと、専用の応募サイトを 5 月中に開設すると書かれている。

アメリカ車が日本で走っていないと苦言を呈するトランプ大統領よりも、日本に特徴的な軽自動車を生産して販売しようとする BYD のほうが現実を直視して解決策を見出そうとする姿勢があるように見える。一国の大統領と一企業とでは発言は変わってくるし、本心を言える範囲も違ってくるし、また、その立場によって言うべきことを発信しないといけないことがあるのは当たり前のことだと思うので、トランプ大統領がどこまで本気で自国の車を日本で売ろうとしているのかも眉唾なような気がするが、本気で一定の台数を売ろうとすれば軽自動車市場を検討する BYD のスタンスに納得感はある。また、軽と EV の親和性も高そう。短距離の街乗りであれば電池の航続距離の大きさへの需要はあまり高くないかもしれないし、そうすることで日本で重要視される安全性に BYD として気を配れるようになれるかもしれない。「日本専用設計」というのは車体の大きさの観点はあるだろうが(EV になると 660cc という排気量は関係なくなるので車体サイズのみで「軽」に仕分けされるのだろうか?)、安全性も関係しているのではないかと想像する。

ハイブリッド車が新規販売の約半数を占める日本の四輪車市場において、EV 乗用車も EV 軽もどちらも年間数万台程度の規模からどこまで軽で台数を増やせるか判らないが、目の付け所に感心するところはある。中国国内での EV 販売が頭打ちとなってしまっての日本市場に目を向けている状況なのかもしれないが、2026 年に導入ということは、すでに試験や評価が進んでいる状態でないとおかしいので、かなり出来上がっているモデルなのだろう。部品選定ももう終わっていないといけないはずだけど、国内企業はもう受注していて黙っている状態なのだろうか。



4月28日の記念日・出来事
・サンフランシスコ講和記念日:平和条約 Treaty of Peace with Japan が発効、主権回復・国際復帰
・労働安全衛生世界デイ:カナダの法律が成立したことを発端に記念日の変遷あり、最終ILOが策定

エチレンセンター

エチレンセンター

エチレン生産設備再編の方向性についての記事をみた。西日本にある三井化学(泉北)、旭化成、三菱ケミカルグループ(ともに水島)の 3 社が 1 基に集約する方向で検討しているということらしい。

その記事によると、国内にエチレンセンターは現在 12 あり、定修年ベースで 616 万トンの生産設備と記載されている。昔に習った話の記憶では、定修スキップ年の能力で 8 百万トンという記憶があったので、記事が伝える定修年の数字では合計キャパの現在地が判らず、私が聞きかじっていた時期にくらべてどれくらい減っているのか判らなかったため、少し調べてみようという気になった。

なんとびっくり、2014 年にはすでに 8 百万トンの能力を切っていた。ほぼ 10 年前。この間、私は一度もエチレンセンターについて興味を示してこなかったということか。

記事にあった現在の定修年の 616 万トン水準には、2016 年ごろにはなっていたことが私があたった資料からは読み取れる。スキップ年に換算した能力は、2023 年末時点では 650 万トン程度とのこと(出展:石油化学工業協会「主要石油化学製品のメーカー別生産能力 エチレン」)。

私の記憶にあった 8 百万トンから 15% 減といえば大きくないような気がする一方で、高水準の稼働率を維持する必要のあるエチレンセンターの実際の生産量は、2024 年には 5 百万トンを切っているとも。製品で輸入しているものが増えて、石化コンビナートで作るものも減っているのだろうけれど、数量云々もさることなが、原油以降のバランスを最適化することが難しくなっているのだろうと思う。自動車の電動化が本格的になるのがいつになるのか判らないが、ガソリンの生産が落ちたときに石化製品はどうなるのだろうか。石油ストーブで燃やす灯油はどうかとか、アスファルトのかわりに海外にあるようなコンクリート道路が増えるのかとか、興味本位なだけであるがちょっと調べてみようと思う。