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輸出貿易管理令

輸出貿易管理令

最近のニュースでレアアース関連の話題をよく目にする。レアアースの中でも磁性材に使われる元素は、モーターをはじめとした自動車向けやファクトリ・オートメーション、ロボットなどに組み込まれる永久磁石に使われるとのこと。また、同種の元素は、磁石として防衛用途にも使われるとのことで、先日、アメリカのメーカーに米・国防総省が資金面でのバックアップをするというニュースもあった。

この記事に興味をもったので調べてみたら、日本は磁石のシェアが以前よりもかなり低下しているとのこと。それでも、米国の磁石生産よりはまだまだ大きいようで、そうすると、米国の防衛産業に日本から磁石が輸出されていてもおかしくない(メインが中国製だから国防総省がメーカーをサポートするのだろうが、日本のものも使われているだろう)。

私がまだ会社に入って日が浅い頃はキャッチオールと呼んで、食料・食品と木材以外はすべて対象品目のような感じで、あとはホワイト国かどうかというのが輸出管理のおおざっぱな考え方だった。その時代に、とある化学物質が組み込まれた製品を販売したり、それを製造する海外の会社の資産買収をすることがあった。買収の時の社内決裁取得過程では、社内の「特貿」担当の部署への説明やなんやらで結構なワークロードをかけたなあというのが思い出された。その後も、輸出物流商売では非該当証明でよかったりする製品や仕向け国が多かったような記憶があるが、いくつか関与させてもらった企業買収では買収先企業が軍事転用な製品を作っていたりして、結構大変だったことを思い出した。

日本の磁石の話に戻すと、同盟国であるアメリカの防衛向けということであれば、許可が出ないことはないのだろうけども、それでも武器になることが判っている(転用可能ではなく、武器のために輸出することが輸出時に明白)ケースなのだろうからそれなりの手続きがあると思うが、ニュースでは簡単に武器に使われるとか書いてあるのをみると、浦島太郎になった感覚を少し持つ。ただ、これだけサプライチェインが多くの国に展開されるようになると、どこでどんなつながりがあるかトレースできないこともあるだろうから、より一層にきちんとした貿易管理が必要なのかもしれないなあと思ったところ。