掃除機の展示品でデモできない

掃除機の展示品でデモできない

掃除機が壊れた。多分、機能としてはまだ使えるのだろうと推測するけれど、スイッチが壊れた。二ヶ月位前に使おうと思ったときに、スイッチのパーツが突然外れた。パーツが外れて剥き出しになったスイッチ内部を見たところ、単純な構造であることがわかり、また、通電させるパーツはまだ内部にとどまっていたため、爪楊枝を使って絶えず通電できる形にしたうえで、コンセントにプラグを差す・抜くでスイッチ代わりにして、掃除機としてはなんとか使えていた(剥き出しになったところから小さな火花がパチっとでてくることがあり、安全上も機能上も、早めに買い替えが必要と思いながらも、まだ使用できていたこともあってずるずる使っていた。

それが先日に、突然、通電させる部品がどこかへ飛んでいってしまった。ああ、ついにと思った瞬間、ゴミがたまるパーツの蓋が開き、吸い取ったゴミが床にこぼれた。掃除機が使えなくなった瞬間、いままにないくらいの超高い掃除機需要が発生した。

ゴミさえこぼれなければ、翌週末に電気店にゆけばよいと思っただろうが、ワタゴミや固形ゴミが床に散乱した状態には耐えられず、日本ならばサザエさん症候群がぐったりしている時間帯に電気店にいかなければならなくなった。

買うと決めたらすぐ買わないと気がすまないくなりがちな私は、電気店にこれといった掃除機がないことにがっかりした(別に、素晴らしい掃除機を買うつもりはないのに、普通のすらなかった)。いつものわたしならば、それでも最初にいった店で買ってしまってあとから後悔するのだけれど、この日は違った。道を挟んだ向こう側にも店があり、そこもみてみる気になった。素晴らしい。普段ならばそんなことはありえないことだ。その道は、一方通行の片側5車線くらいの道のなので、車がこないときを見計らって渡るのは結構、単純なことではないのだが、その日の私は別人のようだった。

結局、二店目は品揃えも結構あって、買い物には満足していないながらも、まあまあ、普通の掃除機を買うことができた。ただ、そこに至る過程として、デモができない問題に出くわした。私が掃除機に期待するのは吸引力のみ。いろんなタイプのノズルがアタッチメントでついていたり、水拭きみたいなことまでしてくれるヘッドがついているものがあったり、そういったことには私は興味がない。何年か前にコードレスを買ったことがあるが、2年経つかどうかというタイミングで充電ができなくなったことがあったので、コードレスに対しても拒否感がある(コードレス=吸引力が弱い、というイメージもある。スチーム・アイロンについても同じ先入観をもっており、アイロンも有線だし、屁理屈はちょっと違うがヘッドフォンも有線)。

そんな吸引力至上主義の私にとってはもちろん、大勢の買い物客にも同じだと思うのだが、掃除機は実際に電源を入れずに買うことなんかできない。が、しかし、コードレス機は充電されていなし、プラグイン式のものも電力が得られるコンセントが展示場に見当たらないし、これは一体どういうことなのだろうか。店員さんに聞くも、電源ないよ、とのこと。この店員さんは、自分が客のときにもデモしないで買ってしまうのだろうか(そんなことはないだろうが、もしかして、デモせずに買うのかなと思わせる国ではある)。以前に電化製品を買っていた店では、レジで通電チェックもしたのに、ここではデモも通電チェックもない。まあ、最終的にこの店で買ったのは、デモをできるようにしてもらったからなのだが、本当は、展示品全てのスイッチを入れて吸引力を確認してから買いたかった、というのが正直な気持ち。

壊れてしまったほうの掃除機は、部屋の大家さんが買って備品としておいてくれたものだった。私はテレビをみないのだけれど、大家さんが買ってくれた家電にはテレビもあって、そのテレビは今回の掃除機よりももっと前に壊れた。ある日、突然にシューっという音とともに壊れた。安いけれど、壊れやすいものが多い。

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