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Day: 2025年4月11日

エチレンセンター

エチレンセンター

エチレン生産設備再編の方向性についての記事をみた。西日本にある三井化学(泉北)、旭化成、三菱ケミカルグループ(ともに水島)の 3 社が 1 基に集約する方向で検討しているということらしい。

その記事によると、国内にエチレンセンターは現在 12 あり、定修年ベースで 616 万トンの生産設備と記載されている。昔に習った話の記憶では、定修スキップ年の能力で 8 百万トンという記憶があったので、記事が伝える定修年の数字では合計キャパの現在地が判らず、私が聞きかじっていた時期にくらべてどれくらい減っているのか判らなかったため、少し調べてみようという気になった。

なんとびっくり、2014 年にはすでに 8 百万トンの能力を切っていた。ほぼ 10 年前。この間、私は一度もエチレンセンターについて興味を示してこなかったということか。

記事にあった現在の定修年の 616 万トン水準には、2016 年ごろにはなっていたことが私があたった資料からは読み取れる。スキップ年に換算した能力は、2023 年末時点では 650 万トン程度とのこと(出展:石油化学工業協会「主要石油化学製品のメーカー別生産能力 エチレン」)。

私の記憶にあった 8 百万トンから 15% 減といえば大きくないような気がする一方で、高水準の稼働率を維持する必要のあるエチレンセンターの実際の生産量は、2024 年には 5 百万トンを切っているとも。製品で輸入しているものが増えて、石化コンビナートで作るものも減っているのだろうけれど、数量云々もさることなが、原油以降のバランスを最適化することが難しくなっているのだろうと思う。自動車の電動化が本格的になるのがいつになるのか判らないが、ガソリンの生産が落ちたときに石化製品はどうなるのだろうか。石油ストーブで燃やす灯油はどうかとか、アスファルトのかわりに海外にあるようなコンクリート道路が増えるのかとか、興味本位なだけであるがちょっと調べてみようと思う。