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Day: 2025年4月18日

東京のホテルで価格カルテルにつながる情報交換

東京のホテルで価格カルテルにつながる情報交換

都内のホテル運営会社が内部情報を共有していたことがわかり、価格カルテルにつながるおそれがるとして、公正取引委員会が警告を出す方針を固めたという報道があった。

その報道によると、2024 年の秋には情報共有グループから抜けたとする会社のコメントが紹介されていて、また、共有していた 15 社すべてがすでに共有をやめているとのことだが、共有が行われていた当時は、客室稼働率や平均単価、将来の価格設定方針などの内部情報が毎月の会合で共有されていたとのこと。

どこかの会社が情報をリークしたのかどうか一般読者が背景を知る由もないが、公取が動いてこのような事案が表沙汰になるのは歓迎すべきことである一方で、普段から疑問に感じていることがある。例えば、「ナフサ価格が上昇したことで、石油化学製品について○○円の値上げを化学会社各社が一斉に打ち出した」というようなことが定期的に報道される。自社ウェブサイトやメディアをつかって情報が流れているので裏で実施するのとは違うものの、各社横並びの値上げを打ち出すという行為自体は、価格カルテルを可能にさせる密談のようなものと何が違うのかと、常々、感じていた。

最終的に合意する価格は顧客毎に異なっているとはいえ、それはホテルの客室価格にも同じことが言え、公開か非公開かの違いでしかないのではないか。新聞が報道しているのだから合法なのかもしれないが、メディが正しいことをしているとは思っていないし、何十年にもわたって報道されているフォーマットなので、報道する側は何も疑問に思わずに先輩方の形式美を脈々と受け継いでいるだけなのかもしれない。

まあ、単なる一読者の感想なのでその事象自体はどうでもよいのだけれど、独禁法を恐れるあまりに業界の普通の会合さえ開きづらい世の中になったということを、もう十何年以上も前から耳にすることがあった。業界の会合を公開で開催するのも違うとは思うけれど、業界の発展のために必要な協議はあると思う。そうでなければ、極端な話、自動車工業会のような存在も違法と言われかねないし、業界としてロビー活動もある。必要なものは必要である。疑われた時のために、会議をビデオ録画しておくとかができることなのだろうか。意図した記録漏れは、文書としての議事録でも映像記録でも同じだけれど、ビデオのほうがまだましかもしれないが、どちらにも機密情報の漏洩リスクはある。

企業内のコンプライアンス対策にも同じことがいえると思うが、悪いことをするやつがいるからルールが厳しくなり、余計な手順でワークロードが増え、違法行為をしていない人にも迷惑が掛かる。ガバナンスが甘くなると市場からの信頼を失ったりするので、業務規程面ではもう過去の管理水準へ引き返すことはできないので、ルールがより厳しくなることがないよう、とにかく悪いことはしないでほしい。



4月18日の記念日
・よい歯の日:語呂合わせ。418 =よいは。11月8日は、いい歯の日。
・世界アマチュア無線の日:1925 年に国際アマチュア無線連合が結成総会。制定は1973年。
・ジンバブエ独立記念日:1980年、イギリスから。
・発明の日:1885年に「特許法」の元となる「専売特許条例」が交付された。制定は1954年。
・電子楽器メーカーのローランドが 1972 年に設立。

・Good Friday