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Day: 2025年8月23日

営業マンと聞いて思い浮かぶ私のイメージ

営業マンと聞いて思い浮かぶ私のイメージ

営業マンと乱暴にひとまとめに表現しても、業種によって所謂営業マンのイメージは異なってくるだろう。家庭や個人を対象にした訪問販売の営業マンや対企業の営業マン、扱っている商品によってもイメージは様々で、違う会社に勤めていると友人間であっても営業マンを同じイメージでは語れない。

私には、営業マンと聞くと思う浮かぶ人が一人いる。その人とは、20 年以上前に仕事をしていた。一緒に仕事をさせて頂いた期間は1年少々の間だけで、業務上でその人とかぶる場面は、客先との面談で出張するときだった。

私にとってのその「営業マン」先輩は、面談時に客先からの質問に答える際には口頭で説明するのではなくて、試験結果や図面を必ず示し、客観性のあるデータに説明させるやり方だった。書面にしたデータを常時ファイルに入れて持ち歩き、質問があれば適切なデータをファイルから取り出して説明するスタイルだった。

当時、私は技術営業をしていた。その先輩と客先訪問をするようになったときは、まだ、その業務に就いてから時間があまりたっておらず、見習いのような感じでその先輩についていっていた。だから、製品データなどもまだ頭によく入っていなかった。業種的に客観データが重要視される業界だから資料が必要であるのをよいことに、カンニングペーパー的に資料に語らせる手口は自分の無知を隠すのにも都合がよいという不純な理由もあって私は資料の鬼になった。ただ、それは資料を重要視する二次的な理由であって、やはり業界での仕事の仕方や先輩のやり方が非常に参考になった。その先輩から独り立ちして欧州で技術営業をするようになってからは、基本的に客先へは車で訪問していたので、持って行けるファイルの物理的な量は増え、客先からは動くオフィスというあだ名をつけてもらっていたりもした。日本人が欧州 OEM や Tier 1 に入り込むにはそんなあだ名も多少役に立ったと思う。紙のデータを一瞬にして出して示すのは、タブレットやPCでデータを探してから小さな画面で見せるのとは違う迫力と説得力があったはずだ。

その業界や仕事のやり方が私にはあっていたのだと思う。その後、別の仕事をするようになると、口八丁の営業マン・スタイルが必要な時があったり、あまり品質やデータを重要視せずに価格の話ばかりになるお客さんの業界だったりして、私が先輩によって呼び起こされた特性が仕事に活かせず悶々と過ごす時代も短くなかった。

次回に休暇で日本へ一時帰国する際、この先輩に会いたいと思っている。その先輩に対して、私が仕事の師と思っていたことを伝えたことはないので、先輩を驚かすことになるかもしれないが、お礼を言いたいと思っている。お互いにそれなりの年齢になり、言えるうちにお礼を言いたい。