海外で仕事、イチロー選手 励み
今、私が仕事をしている国に限れば、何年か前に比べて日本にいるのと同じような生活ができるようになった。YouTubeを見ることもできるし、電子書籍であれば日本の本も不自由なく購入することもできる(電子化されている書籍には限るが)。居住地ならではのこともできるし、日本のような癒し方法もある。違いが少ない世の中になった。
私が初めて海外で働くことになった時には既にインターネットや e-mail は存在していた。しかし、ネットで動画を見るという発想はなく、そもそも、動画がアップされていたかもわからない。だから、日本の動画をみようとすれば、海外放送の会員になってデコーダを購入(貸与)してテレビ受信機でみることになるのだけれど、1つのチャンネルでいくつかの日本のテレビ局の番組を放送するシステムなので番組の選択肢がなかった。どうしても見たい番組がある場合は、賞味期限切れ食品を販売する店に何時間かかけて車でゆき、その店で売っている日本のテレビを録画した VHSビデオを購入することになる。または、TV番組雑誌を購入して、めぼしい番組を日本に住む親族にお願いして録画して国際郵便で送ってもらっていた。
二度目の海外勤務の時代までにはインターネットがかなり進んでいて、ニュースを見ることができた。最初の海外の時は、日本の情報から寸断されていた認識があったので、見たいとも思わなかったけれど、見ることができると見たくなるのが人の心情。当時の私の支えは、イチロー選手の活躍を知ることで、その日の成績によって自分の一日もよくなりそうな気持になった。特にイチロー選手のファンではなかったのだけれど、海外で活躍する選手の動向に私の気分もかなり左右された。今は日本人メジャー・リーガーも増えたから環境が改善されていると想像するけれど、イチロー選手の時代は差別的なことも今より顕著だっただろうし、そんな中で成績を出すイチロー選手の活躍に勇気づけられた。
今は選択肢が増えた分、何かにすがる必要がなくなった。 何かがうまくいかなくても、ほかの何かでよいことがあればいいかと思えるのは、よいことだと思う。